やっぱり“T-1”は悪球打ちby23(フタミ)

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西武の“アジア一”で幕を閉じたアジアシリーズ!過去最低の観客動員数の訳と存続の行方は?

大分遅くなったが、今年で4回目のアジアシリーズは渡辺西武がアジアの頂点に立ち、日本勢による4連連続の「アジア一」の座を死守した。

優勝を決めた決勝戦では、石井義が佐藤の中堅左への二塁打で一塁から一気にホームに生還し、サヨナラ勝ち。まるで1987年の巨人との日本シリーズ辻発彦が見せた伝説の走塁を思い出させるシーンだった。

 

やはり西武の伝統といえば、そつのない野球。

渡辺久信監督も「今の選手に伝統は受け継がれている」と満足げだった。

 

今年は就任一年目でリーグ優勝、クライマックスシリーズ制覇、日本一、アジア一の座に導いた渡辺監督。今年はノーマークだったので、来年真価が問われると思う。果たして黄金時代を築けるかどうか。

心配の火種は大久保コーチの存在か。

 

さて、4回目を終えたアジアシリーズだが、元々は「アジアの頂点、世界へ」を掲げて始まった。第1回大会は、初物の珍しさと人気球団の千葉ロッテが日本一ということもあってそれなりに動員できた。

だが、今年のアジアシリーズは大幅な観客動員減に見舞われた。

 

アジアシリーズの日本チームの観客動員数

2005年

ロッテvsサムスン(韓国) 27305人、ロッテvs興農(台湾)18911人、ロッテvs中国選抜 26564人、決勝戦・ロッテvsサムスン 37078人

日本戦合計 109858人(1試合平均27464人)

 

2006年

日本ハムvsサムスン(韓国) 15147人、日本ハムvsラニュー(台湾) 11038人、日本ハムvs中国選抜 12337人、決勝戦日本ハムvsラニュー 24580人

日本戦合計 63102人(1試合平均15775人)

 

2007年

中日vsSK 19095人、中日vs統一 11167人、中日vs中国選抜 12633人、決勝戦・中日vsSK  21091人

日本戦合計 63986人(1試合平均15996人)

 

2008年

西武vsSK 9277人、西武vs統一 8443人、西武vs天津 8478人、決勝戦・西武vs統一 18370人

日本戦合計 44568人(1試合平均11142人)

 

今大会の総観客動員数は過去最低を記録。第1回大会と比べても、6割以上落ち込んでいる。採算面からいうと間違いなく大赤字。このままでは来季以降の大会存続も安泰ではないだろう。

 

ここまで苦戦を強いられた理由のひとつとして、西武の人気のなさを挙げる方が多く見られるが、それは短絡的な発想だと思う。

確かに西武の今季公式戦の観客動員数は、12球団中では7位(141万3583人)どまり。この数字イコール、スタンドの閑古鳥に結び付けたいのも分からないわけではない。仮に巨人が進出したら、今回のような動員数は有り得なかった。

 

しかし、である。ロッテは別にして、北海道日本ハムと中日とでは、首都圏に限っては西武の方が動員力はある。

 

では、第2回、3回に比べて落ちた理由は何なのか、と言ったら、冠スポンサーの撤退が一番の理由だ。

スポンサーと観客動員との因果関係を説明する前に、スポンサー撤退の件について触れたい。過去3大会の冠スポンサーを務めていたゲームメーカーの「コナミ」が撤退した。最終的に撤退が決定したのは今年の7月。そのため、今大会も「コナミ」を当てにしていたこともあって、開催自体も危ぶまれていたのだ。

 

さらに、同じく前大会まで後援していた「読売新聞社」も今回から手を引いた。その関係で今年からは地上波でのテレビ中継もなくなった。仮に巨人が日本一になっても中継はなかった。

 

つまりスポンサー、後援なしのダブルパンチに見舞われ、代わりも見つけられず冠なしで臨んだ結果、観客動員数でも惨敗した。まさにトリプルパンチということになる。

 

さて、ここで動員数の話が出てくる。

スポンサーと後援から招待券が出るのはご存知の方も多いと思う。

 

ところが、今年は撤退したこともあって招待券は全く出回らなかった。

ちなみに、弊社でも毎年入荷するはずの招待券が今年は初めて入荷がゼロだった。

 

入荷したのは実券のパスポートのみ。

オークションでも検索したが、こちらでも同様に招待券は全くなかった。

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今までの経験からして、東京ドーム規模での招待券の発行枚数は、1試合約3千枚くらいか。 

そのうち、7割~8割は来るから1日2千人以上の方は来場する。

それにテレビ中継がなかったのも大きい。

中継すると局でも事前に宣伝をしてくれる。

よって、そこで当日券情報などの告知をすると、それだけでも約千人くらいは増える。

 

つまりだ、招待券などの数字と足すと、第2回と3回とはあまり変わらないわけだ!西武が人気がないのは本当かもしれないが、そこだけの話ではないし辻褄も合う。

 

あと参考になるか分からないが、特に今年に限って店頭で「アジアシリーズのチケットはないか」等の問い合わせが少なかったわけではない。

逆に例年より多かったほどだ。

 

正直な話、百人以上の方にチケットがなかったために断っている。

なので、そういう意味では勿体無かった(もちろん出回っていないので、格安のチケットを探している方が多かったとは思うが)

それに、日本シリーズと違って、アジアシリーズは有料者入場者数での発表ではない。

結果的には、今年のアジアシリーズは限りなく有料者入場者数での発表となった。

 

で、ここが一番大事なんだが、存続の危機というのは、実は第2回大会からあったわけで、要は、一番大事な観客論をないがしろにして、スポンサーのお金を当てにしているから右住左住することになる。

既に第2回の時点で、第1回と比べて4割近く動員が落ちた。このときに真剣に考えないから、このような事態になったわけでしょ。

 

ちなみに、「コナミ」の過去3年の冠スポンサー料は推定3億円とも言われている。

これに入場収入を加えて参加チーム総額1億円の賞金や韓国、台湾、中国の招待費用をまかなったのだが、今年はNPB(日本野球機構)がすべて負担せざるを得なくなった。

 

それに、ペナントと違ってあくまでもNPBが主催だから、テレビ、ラジオ中継の放映権の獲得も簡単にはいかない。西武が出場するのに、文化放送NACK5ですらラジオ中継がなかったのはそういった事情によるもの。

 

NPBは「赤字覚悟でも続ける」と決断したものの、来年も今年と同じ状況なら継続はかなり厳しいと思う。

そもそも大会の最終目標は「アジア王者対ワールドシリーズ覇者でのクラブチーム世界一決定戦」だったはず。

それが、だいぶ様相が違ってきている。

 

実際に、実現のめどは立っていない。

そのことがファンの関心の薄さにつながっているのは一目瞭然。

 

さらに、開催の意義に加えて、過去の大会では、日本ハムセギノール、新庄、中日はウッズと、主力抜きで戦った。

今回にしても、怪我の中島と細川は仕方がないにせよ、グラマン、石井一、西口まで登録から漏れている。

 

日本のチームの姿勢にも問題があるかもしれないが、これも日本シリーズと比べてモチベーションが上がらないからであろう。

こんな状況下で、新しいスポンサーが付くかどうかと言ったら厳しいのではないか。

 

だが、対照的に、韓国、台湾は目の色が違う。実際、SKが統一に破れたとき、涙を流している選手がいたほどだ。

向こうからすると、賞金総額1億円というのは、大きな魅力だと思う。 

 

日本以外の3カ国にとっては、アジアシリーズは大きな目標となっており、最初の主旨からみても大会の意義は誰もが認めるのだが、NPBの財政が厳しいのは明白なので、果たして第5回大会が開かれるのかは楽観できないのが現状である。

 

あと、他国での開催にしても、韓国はこの時期の気候が寒冷な上、ドーム球場が存在しない。

台湾は気候は温暖だが、運営費の捻出が難しい。

つまり、日本以外での開催は難しいから、NPBが止めたら終わってしまう。

世界一決定戦を実現するためには、どうしたらいいのか、12球団の意見を聞きながら真剣に議論するべきだろう。

 

そうしないと、仮に来年実現したとしてもステータスの向上にはならず、開催の意義は薄れていくと思うが。

いずれにしても、アジアシリーズが岐路に立ったことだけは間違いない。

 

アジアシリーズ2008 西武戦の結果&詳報

1次リーグ 11月13日(木)×埼玉西武ライオンズ 3-4 ○SKワイバーンズ 東京ドーム 9277人

 

SKが4対3で西武に逆転勝ちを収めた。2年連続出場のSKは昨年の中日ドラゴンズ戦に続き、初戦で日本チームを破った。

西武は初回、日本シリーズから好調をキープしている平尾のタイムリーで先制したが、2回、SKの4番・朴栽弘に、レフトポール際への打球に三塁塁審はファウル判定。だが、それを覆し本塁打と判定され追いつかれる。

SKは4回には、3番・李宰元が勝ち越しの2ランを放ち、なおも連打で1点を追加した。

西武は勝ち越された直後の5回に、栗山、平尾の連続タイムリーで1点差に詰め寄るも、6回以降はSKリリーフ陣の前に無安打に抑え込まれた。

SK先発は今季16勝を挙げ、北京五輪の日本戦でも好投した先発左腕の金廣鉉が5回途中3失点で降板するも、その後は継投で逃げ切った。

一方西武先発の帆足は得意球パームの切れが良く、2回には3者連続三振を奪うも4回途中4失点と粘れず。クリーンアップに浴びた2発に泣いた。

 

1次リーグ 11月14日(金)○埼玉西武ライオンズ 2-1 ×統一ライオンズ 東京ドーム 8433人

 

西武は統一を2対1で破り初勝利を挙げた。

西武は1点を先取された四回、先頭の石井義が左中間を破る二塁打で出塁。大島がセンター前にタイムリーを放ち同点に追いつく。さらに2死二塁から赤田が適時二塁打で逆転。 投げては、日本シリーズMVPの岸が8回1失点10奪三振の好投。最後は、星野、小野寺との継投で締め括った。

両チームの予選リーグの通算成績は、ともに1勝1敗となり、3チームが2勝1敗で並んだ場合は規定により、総失点率、総得点率などの順番で決勝に進む2チームを決める。

 

1次リーグ 11月15日(土)○埼玉西武ライオンズ 16-2 ×天津ライオンズ 東京ドーム 8478人

 

西武が16対2で天津を7回コールドゲームで下し、統一がSKを10対4で破ったため、西武、統一、SKが2勝1敗で並んだ。大会規定により失点率(失点数を守備イニング数で割る)の低い順で1位西武、2位統一、3位SKとなり、統一が台湾勢として2年ぶりに決勝へ進んだ。

西武は2対2の二回に、これまでヒットがなかった4番・中村の3点本塁打で勝ち越し。主砲の一撃で勢いに乗った打線は、3回には打者一巡の攻撃で6点を奪った。その後も栗山の3打点の活躍などもあって、次々に得点を重ねた。

西武先発の許は3回途中2失点で降板したが、大沼、谷中、岡本真のリリーフ陣が天津打線を完全に抑えた。

天津は3連敗で、中国勢として初勝利を挙げられなかった。

なお、西武の16得点はアジアシリーズ新記録。

 

勝戦 11月16日(日)○埼玉西武ライオンズ 1-0 ×統一ライオンズ 東京ドーム 18370人

 

1次リーグ1位の西武が1対0で同2位の統一にサヨナラ勝ちして、初優勝した。

日本代表としてロッテ、日本ハム、中日に続く、アジアシリーズ4連覇を達成した。

西武は0対0の同点で迎えた9回、2死走者なしから石井義がこの試合チーム初の四球を選ぶと、続く佐藤の左中間への二塁打で一塁走者の石井義が一気に本塁へ生還した。

西武先発・涌井が序盤3イニング連続で先頭打者にヒットを浴びるなど苦しい立ち上がりも、7回途中まで毎回の10奪三振で無失点に抑えると、2番手以降の星野、大沼、岡本真も統一打線に得点を与えなかった。

一方台湾勢初優勝を狙った統一は、先発・アルバラードは6回を4安打、無四球無失点と好投したが、守備で中継プレーが乱れるなど課題を露呈した。

 

なお、優勝した西武は賞金5000万円を獲得し、大会MVPには決勝でサヨナラタイムリーを放った西武の佐藤友亮外野手が選ばれた。

チケット&トラベルT-1ホームページ(東京・水道橋):03-5275-2778
http://www.t-1.jp/tk/

マスターズリーグ 

11/29(土)17:00 名古屋80D’sers vs札幌アンビシャス ナゴヤドーム

12/6(土)13:00 大阪ロマンズvs札幌アンビシャス 紀三井寺公園野球場

12/13(土)13:00 東京ドリームスvs名古屋80D’sers 千葉マリンスタジアム

12/16(火)18:30 東京ドリームスvs大阪ロマンズ 東京ドーム

12/27(土)16:30 名古屋80D’sers vs東京ドリームス ナゴヤドーム

1/2(金)18:00 東京ドリームスvs福岡ドンタクズ 東京ドーム

共通内野自由席招待券(いずれか1試合有効) 前売2700円 当日3000円→1000円