引き続き、印象に残ったプロ野球の試合を振り返るシリーズを更新。
今回はプロではなく、9月9日東京ドームで行なわれた第79回都市対抗野球大会決勝戦・新日本石油ENEOS対王子製紙戦を取り上げる。
球界初の日本プロ野球(NPB)を経由せずにアマチュアからメジャー契約した選手となり、いまや時の人となった田沢純一投手。
正式にボストン・レッドソックスとメジャー契約で入団することになった。
その田沢が、脚光を浴びるようになったのは第79回都市対抗野球大会ではないか。
快投を続ける田沢の去就に日に日に注目を集め、9月8日の準決勝、対ホンダ戦に先発し勝利を収め13年ぶりの決勝進出に貢献。
試合後、12球団代表あてにドラフトでの指名を断る要望書を送付し、大リーグに挑戦することが明らかになった。
田沢がリリーフで登板!
いまとなっては貴重な試合を観戦できた
これも前回更新した王貞治監督と同様、この試合を逃すと田沢を生で観る機会はしばらくないだろう、と予感するものがあり9月9日の決勝戦を観戦した。
田沢は8回から登板し見事抑え、新日本石油ENEOSが4対1で王子製紙を破り13年ぶり9度目の優勝を果たした。
新日本石油優勝の瞬間!
MVPに当たる橋戸賞には、先発、抑えにフル回転し、全5試合に登板して1完封を含む4勝を挙げ、投球回数28回1/3で4失点、奪三振36・防御率1.27という成績を収めた田沢が文句なく獲得。
大会終了後の9月11日、記者会見でメジャーリーグ挑戦の意思を表明し、ドラフトの超目玉であった田沢は海の向こうへ渡ることになった。
一塁側応援団に優勝の報告をする新日本石油のナイン
今回の田沢の大リーグ入りは、制度上問題ないのに、初めてのケースということもあって風当たりが強かった。
日本でのドラフト指名を拒否して米球団などと契約した選手は、その後海外から戻ってきても数年間は日本の球団入りを認めない、など「流出防止策」のルールの見直しをNPBは訴えたが、こんなピント外れなルールを作っても、この先、第2、第3の田沢は必ず出てくる。
そもそも、NBPが今回のケースを糾弾したのも、田沢が金のタマゴだからであって、実際無名選手の時は何も文句を言わなかった。
ルールで縛りつけても、能力の高い選手はメジャーを目指す、これはある意味当然のことであるししょうがないこと。
それよりも、もっと自由に日米を行き来できる時代にしていった方がいい。
要するに、人材の出入りを縛るのではなく、流動性を高める方向という意味で。
大体、過去に田沢のケースがなかったことが逆に不思議なくらい。
同投手の活躍次第では、海外流出に歯止めは利かないだろう。
だったら、FAの権利を得る年数を、現行の7~9年から米国並みの6年に短縮したりすれば、プロの第一歩は日本球界入りが魅力的な選択肢になる。
逆転の発想で行かないと、これから時代は厳しい。
国内だってそうでしょ。
いつまでも巨人の時代ではない。
地域密着を掲げるチームは、確実に観客動員数を伸ばしている。
日本球界自体、将来性はまだまだあるわけだから、大リーグと渡り合える待遇や環境を伸ばす努力をしていただきたい。
よりプロ野球が発展するには、お偉いさん達の視点を変えてもらわないといけない。
第79回都市対抗野球大会のトーナメント表
チケット&トラベルT-1ホームページ(東京・水道橋):03-5275-2778
http://www.t-1.jp/tk/
マスターズリーグ 1/2(金)18:00 東京ドリームスvs福岡ドンタクズ 東京ドーム
共通内野自由席招待券 前売2700円 当日3000円
1枚 1000円、1枚で2名有効 2000円※売切れ